2008年8月2日土曜日

山形の風景(紅花)

青柳@東京です。7月下旬、郷里に咲く紅花(山形県の県花)との念願の出会いが実現して大いに感激しました。

紅花は7月上旬に咲き始め、花期が2~3週間と短く、お盆の頃はいつも花は終わっています。今回は、まず谷地(河北町)の紅花資料館(江戸時代に紅花で財を成した堀米家の屋敷跡)を訪れたところ、この敷地内でも紅花が少し栽培されていました。さらに資料館の人に、近くの農地で紅花が栽培されていると教えてもらい駆けつけてみたら、終わり頃でしたが枯れずに美しく紅花が咲いていました。大感激でした。 → 季節のスケッチ(7月)http://keima.la.coocan.jp/season-full/ 

江戸時代には、東根、谷地、天童などで産出された最上紅花は、口紅の原料や染料として高値で取引され、海路は最上川で酒田港まで運ばれ北前船に積み換えられ、はるばる京都へ送られ、江戸には陸路(羽州街道、奥州街道)を用いて運ばれていました。上方との文化交流も盛んで、立派なひな人形が盛んに持ち込まれました。かつて、俳人芭蕉は尾花沢で、そして山寺への行路沿いに咲く紅花を見て、
「眉掃(まゆはき)を俤(おもかげ)にして紅粉(べに)の花」
「行末は誰が肌ふれむ紅の花」の二つの句を詠んでいます。

紅花をジッとみつめていると、その奥に当時の勢いある紅花商人、最上紅花を運ぶ船や荷駄、口紅を手にもつ京美人などが見えてくるようです。


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